血液中の赤血球やその中に含まれるヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク質)が不足している状態
貧血

貧血というと「鉄分が足りない貧血」を思い浮かべますが、さまざまな原因が存在します
「なんとなく疲れやすい」「立ちくらみがする」「顔色が悪いと言われる」、その症状、貧血が原因かもしれません。

監修・取材協力:いろはなクリニック
院長 柴田悠平

Contents

貧血 -基礎知識

貧血で悩んでいる方は原因を見極めることが大切

貧血は、血液の不調から考えられる主な疾患の中のひとつ。血液疾患と聞くと重い病気と思いがちですが、貧血は日常生活に関わる良性疾患とされています。貧血にはさまざまな原因があるので、医療機関を受診して原因を把握したうえで、適切な対策を行うことが大切です。

貧血 -主な症状・原因について

貧血の主な症状は、慢性的な疲れ、息切れや動悸、めまいや立ちくらみ、頭痛などが一般的ですが、年齢や体質によるものだけではなく、健康診断などの検査で見つかるケースが多くあります。血液をつくるためには、鉄・ビタミンB12・葉酸などの栄養素が欠かせません。これらが不足してしまうと、赤血球がうまく作れなくなるため貧血を起こします。必要な栄養素の不足による貧血の代表的な疾患としては「鉄欠乏性貧血」「ビタミンB12欠乏貧血」「葉酸欠乏性貧血」があげられます。これらは栄養や吸収の問題を見直すことで改善へと導けますが、赤血球が作られる骨髄の働きが弱くなると起こる貧血「骨髄異形成症候群」や、赤血球が通常より早く破壊されることで起こる「溶血性貧血」などは専門的な管理や早急な治療が必要になる場合もあります。

貧血 -貧血の種類について

貧血の種類について、代表的なものをご紹介します。

◆必要な栄養素の不足による貧血
【鉄欠乏性貧血】

主な症状  ・ 慢性的な疲労感・だるさ、動悸や息切れ(階段を上るのが辛い)・顔色が悪い、唇が白っぽい・頭痛、めまい、立ちくらみ・爪が割れやすい、スプーン状になる・氷が食べたくなる(氷食症)など
主な原因月経による出血や妊娠・授乳による需要の増加、偏った食生活、消化管からの出血、吸収障害など

【ビタミンB12欠乏性貧血】

主な症状    ・疲れやすい・動悸や息切れ・顔色が悪い・めまい、ふらつきなど
主な原因 吸収のトラブル(萎縮性胃炎、胃切除、高齢者、胃薬の長期使用など)や、食事からの摂取不良(ヴィーガン、極端なダイエット、貧困や接種障害)など

【葉酸欠乏性貧血】

主な症状 ・疲れやすい・動悸や息切れ・顔色が悪い・めまい、ふらつきなど
主な原因 妊娠中やアルコール多飲、特定の薬剤の影響など

◆赤血球を作る力が弱くなる貧血
【骨髄異形成症候群】

主な症状  ・だるさ、動悸や息切れ・風邪をひきやすい、治りにくい・歯茎からの出血、あざができやすい
主な原因 加齢や過去の抗ガン剤治療や放射線治療

◆赤血球が壊れることで起こる貧血
【溶血性貧血】

主な症状・動悸や息切れ・黄疸・濃い茶色~赤喝色の尿が出る
主な原因赤血球が寿命を迎える前に壊れ、体が必要な赤血球を十分に補えなくなるため

貧血 -検査方法と早期発見の重要性

早期発見が原因に合わせた適切な治療のカギになる!

貧血の検査は、主に血液検査が一般的です。貧血の治療は原因によって異なり、鉄などの栄養不足などによる貧血の場合は食事による栄養の補給や薬による治療が行われますが、その他の原因で起こる貧血の場合は、それぞれの病態にあった治療が必要です。重大な病気が隠れている可能性もありますので、立ちくらみや動悸、疲労感など、少しでも違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。



「最近フラフラする…」その貧血、放置していませんか?
立ちくらみや倦怠感を感じた時、手軽なサプリメントや栄養ドリンクなどで乗り切ろうとする人も多いでしょう。一時的に症状は軽くなるかもしれませんが、治ったとはいえません。原因不明のまま自身の判断だけで対策をしていると、根本的な病気を見逃すリスクにも繋がります。特に女性では「貧血はいつものこと」と考えている方も多くみえます。貧血を改善することで、慢性的な疲労や頭痛、イライラなどが改善するケースもみられますので、、一度きちんと検査をしてみることをオススメします。

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