長時間のディスプレイ作業による目や身体の不調
VDT症候群 を予防しよう

VDT症候群

目がお疲れの現代人!パソコン仕事の人やスマートフォンが手放せない人は要注意
パソコンやスマートフォン、デジタル端末など、長時間のディスプレイ作業が原因で身体に不調が出ていませんか。近年では近視の低年齢化も問題となっています。作業時間や姿勢の改善、身体にやさしい適切な環境を整えて、VDT症候群を予防しましょう。

監修・取材協力:柳津あおやま眼科クリニック
青山 勝 院長

柳津あおやま眼科クリニック 青山勝先生
Contents

VDT症候群 -基礎知識

「VDT症候群」とはディスプレイ作業から発症する身体の不調の総称

スマートフォンやデジタル端末の普及に伴い、目の疲れや視力の低下、首の痛み、イライラなどを訴える人が増加しています。これらディスプレイ作業から発症する身体の不調を「VDT(Visual Display Terminals)症候群」と呼んでいます。別名IT眼症とも呼ばれています。長時間ディスプレイを見続けることはもちろん、視線がディスプレイ、キーボード、書類の間を頻繁に移動することも目の疲れに繋がります。

パソコン、スマートフォン、テレビゲーム、ポータブルゲームなど、私たちの周りにはVDTがいっぱい。今後ますますVDT作業が進むと言われ、健康への影響が懸念されています。

VDT症候群
(©Medical Terrace編集部)

VDT症候群 -近年の動向

VDT症候群 などによる近視の低年齢化が問題に

VDT症候群は子どもにも見られ、近視の低年齢化が問題となっています。子どもの目は毛様体筋が柔軟なため、大人に比べて目の疲れを自覚しにくく、気付かないうちに目に負担をかけているケースが多いです。一度悪くなった視力は改善されません。スマホは30cm以上離して見る、30分に1回は画面から離して遠くを見る、就寝2時間までに終わらせるなど対策しましょう。また、海外の調査研究では、近くを見る時間が長くても、外遊びをしっかりしていれば近視の進行が抑えられることが報告されており、外遊びを積極的に取り入れることも予防の一つと考えられています。

裸眼視力1.0未満の子ども割合

2023年11月、文部科学省は2022年度の学校保健統計調査を発表しました。裸眼視力が1.0未満の子ども割合は小学生、中学生、高校生でいずれも過去最多。スマートフォンやデジタル端末を使う時間が増えたことが原因として考えられています。

VDT症候群
VDT症候群
(©Medical Terrace編集部)

VDT症候群 -出やすい症状

目の症状

目が疲れる
目が痛い
目が乾く(ドライアイ) 
目がかすむ、ぼやける 
視力が低下する

体の症状

肩が痛い
首から肩、腕が痛い
全身がだるい
背中が痛い
頭が痛い
手指がしびれる

心の症状

イライラする
不安感がある

VDT症候群 -原因

VDT症候群という名が付く通り、長時間のディスプレイ作業が原因となります。目の酷使、長時間同じ姿勢でいることによる血流不良、心的ストレスなどで、目や身体に不調が現れます。

VDT症候群 -治療法

軽度であれば十分な休息を取ることで症状が和らぐ場合がほとんどです。しかし、不調が続く場合は専門機関に相談しましょう。眼科ではドライアイ、眼精疲労、目の筋肉疲労など症状に合わせた点眼薬で治療します。肩や首、背中の痛みが見られる場合は整形外科や整骨院・接骨院、心の不調を感じる場合は精神科を受診しましょう。

VDT症候群 -合併症

VDT症候群が重症化すると近視や眼科的な病気、慢性的な身体の痛み、精神疾患を引き起こす可能性があります。

VDT症候群 -今すぐはじめる予防と対策

目の疲れを和らげるためには、遠くを見て毛様体筋を緩めてあげることが大切です。適度に休息を取って遠くを見たり、意識的にまばたきの回数を増やしたりしましょう。ホットアイマスクで目のまわりを温めるのもおすすめ。まつ毛の内側にあるマイボーム腺を温めることで、涙の油分の分泌を促し、目の潤いを保つ効果を期待できます。

●目を労わりましょう
①適度な休憩
1時間ごとに10分~15分ほど、遠くを見たりして目を休ませる。
②ストレッチ
同じ姿勢を続けず、適度に体を動かす。
③ホットアイマスク
目の周りの血行を良くしてリラックス。ドライアイ対策にも◎。

VDT症候群
VDT作業中は、適度に体を動かしましょう
VDT症候群
ホットアイマスクで目の周りを温めてあげるのも効果的です

●適切なオフィス環境を整えましょう
□ 室内は出来る限り明暗の差が著しくなく、まぶしく感じないようにする。
□ ディスプレイと目の距離は40cm以上離す。
□ 椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、足裏全体が床に接するようにする。
□ ディスプレイとの距離と書類との距離に差が無いようにする。
□ ディスプレイは、画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
(参照:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン)

VDT症候群
適切なオフィス環境を整えて、DVT症候群を予防しましょう

VDT症候群 -自己チェック

□ 1日5時間以上パソコンやスマホに向き合っている
□ パソコンやスマホを見ると頭痛がする
□ 視力が低下したと感じる
□ 目が乾燥しがち
□ ピントが合いづらい
□ 目の奥が痛い
□ 首から肩、背中が凝っている
□ よくイライラする
□ 寝つきが悪い

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