尿の状態をチェックしよう!
泌尿器 の病気


新しい治療法もあります。何か違和感があったら専門医に相談。

排尿に関する悩み、トラブル、血尿が出た場合は専門医を早めに受診しましょう
病気にかかった時、初期の段階では自覚症状がなかなか出ない泌尿器の病気。排尿障害や血尿が出た時は進行していた、というケースも多くあるため、気がついたら早めに専門医を受診することが大切です。

今回は尿路系の病気を中心に紹介します。

監修・取材協力:朝日大学病院 副病院長 泌尿器科教授
江原 英俊 先生

Contents

泌尿器 の病気 -基礎知識

治療はメリット、デメリットを知り専門医とよく相談しましょう

泌尿器は尿を作り出し、体外へ排出する大切な臓器です。泌尿器科では腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路系全般と、精巣、精巣上体、前立腺などの男性生殖器に関する病気を診ています。

泌尿器系のがんには、腎がん膀胱がん男性特有の前立腺がんがありますが、早期段階では自覚症状がなく、血尿によって病院を受診し、見つかることがほとんどです。
治療はがんの大きさや場所によって方法が異なります。前立腺がんや全摘出の膀胱がんの手術の場合、ロボット手術が主流になっています。また、腎がんは免疫療法薬「オプジーボ」(一般名は「ニボルマブ」)の使用が可能になりましたが、メリットとデメリットがあるため、慎重に使用しなければなりません。前立腺肥大症に関してはここ10年間でさまざまな新薬が登場しています。どの薬を使用するのかの見極めが必要になるので、専門医としっかり相談して治療を進めていくことが大切です。


国立がん研究センター対策情報センター「がん登録・統計」のデータを参考に弊社にて作成。

国立がん研究センター対策情報センター「がん登録・統計」のデータを参考に弊社にて作成。

泌尿器 の病気 -近年の動向

近年、膀胱炎や淋病が増えています。膀胱炎では、抗生物質が効かない耐性菌が増えているためです。

淋病も耐性菌による感染が増えており、国をあげて対策をしています。排尿痛、女性の場合はおりものの増加や子宮出血などがみられたら泌尿器科や婦人科を受診しましょう。

泌尿器 の病気 -出やすい症状

  • 血尿
  • 排尿障害
  • 石の場合は石のある部分に痛み

尿閉は病気です。激痛が起こります。合併症として糖尿病があります。しかし、神経がやられていると気がつかないこともあります。

泌尿器 の病気 -リスクチェックとかかりやすい 泌尿器 の病気

□ 血尿が出た … 膀胱がん
□ 高齢 ………… 泌尿器全般
□ 親族に前立腺がんにかかっている人がいる … 前立腺がん
□ 喫煙習慣がある ………… 膀胱がん
□ 高脂肪食をよく食べる … 前立腺がん
□ 糖尿病の女性 …………… 腎盂腎炎
□ 排尿障害がある ………… 泌尿器全般

泌尿器 の病気 -考えられる主な種類と特徴

細菌の感染によって起こる
膀胱炎

大腸菌などの細菌が膀胱の中で繁殖し、膀胱粘膜に炎症が起きる病気です。細菌が尿道から入っても、普通は尿と一緒に排出されますが、膀胱の中で細菌が繁殖すると、排尿時の痛み、排尿回数の増加、尿の濁り、下腹部痛などの症状が出ます。


前立腺の中で最も多い病気
前立腺肥大症

前立腺肥大症は前立腺の細胞数が増加する良性の疾患で、高齢者に多く見られます。尿道が圧迫されるため、排尿障害(尿が出にくい、尿の切れが悪い、排尿後すっきりしない、就寝中にトイレへ行く回数が多い、尿をがまんできずにもらしてしまうこと)や、まれに尿閉(尿が出ない)を起こします。


男性では4番目に罹患率が高いがん
前立腺がん

前立腺がんはゆっくり進行するがんであるため、早期に発見できれば治癒することが可能です。また、寿命に影響しない場合もあります。前立腺肥大症と似た症状が出たり、前立腺肥大症と同時に起こったりしますが、関連はありません。


喫煙者に多い
膀胱がん

膀胱、腎盂、尿管、尿道の一部は「尿路上皮」という粘膜で覆われていますが、この尿路上皮ががん化することにより、膀胱がんが起こります。膀胱がんは肉眼的血尿で発見される例が多く、1回でも肉眼的血尿を経験したら、すぐに受診しましょう。


大きくなると激痛が起こる
尿管結石・腎結石

結石とは、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの塊のことです。腎臓にできた結石(腎結石)が尿管に移動したものを尿管結石と呼びます。他に、膀胱結石、尿道結石もあります。結石ができる場所によって痛みの場所は異なりますが、背中や下腹部の激痛が起こります。結石が大きい場合はレーザーで砕く治療を行うこともあります。

泌尿器 の病気 -治療方法

ロボット手術がスタンダードになってきています

すべての手術に適用されるわけではありませんが、前立腺がんの手術の場合、また、膀胱がんの全摘出手術の場合はロボット手術がスタンダートになってきています。また、腎がんは腹腔鏡手術がスタンダードですが、がんだけとる部分手術はロボット手術が主流になっています。

オプジーボは副作用が出ることもあります

腎がん、膀胱がんに使われるようになってきたオプジーボ(免疫療法薬)は副作用が出ることもあり、副作用が出るとつらいこともあるため、慎重な仕様が望まれています。主治医からきちんと説明を受け、納得して使用することが大切です。

泌尿器 の病気 -今すぐはじめる予防と対策

泌尿器の病気は年齢とともに起こることが多く、予防することが難しい病気です。病気の早期段階で気がつき、治療が始められるように、尿に変化が起きた時など、早めに受診をすることが大切です。

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