
「 VPD 」とは「ワクチンで防げる病気」のこと。健康と命を守りましょう
予防接種を受けることで、感染症予防、症状の軽減、病気のまん延を防ぐことができます。生後2か月から接種できるワクチンがあるほか、大人も VPD に注目して、体調を考慮しながら計画的にワクチンを接種しましょう。
監修・取材協力:愛知県予防接種センター(あいち小児保健医療総合センター 保健科)
VPD をワクチンで防ごう -基礎知識
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世界にたくさんある感染症のうち、ワクチンによって予防が可能な病気があります。それをVaccine(ワクチン)・Preventable(防げる)・Diseases(病気)の頭文字をとって「VPD」と言い、日本では、法律で定められている定期接種と任意接種が可能な予防接種があります。
生後2か月になったらすぐ、B型肝炎、ロタウイルス、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチンを接種することからはじめ、体調を考慮しながら、計画的に予防接種を行いましょう。
また、年々、予防接種の種類や方法などが変わってきています。例えば、2006年4月1日以降、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)の定期接種が開始されています。1回目は1歳児に、2回目は小学校就学前の1年間に接種します。B型肝炎は2016年10月から0歳児を対象に定期接種が開始されました。5歳未満の定期接種対象外の小児や医療従事者、キャリアの家族、消防隊員などにも摂取が勧められています。
定期の予防接種は市町村ごとに実施されています。接種方法など、詳細はお住いの市町村へ相談しましょう。
VPD をワクチンで防ごう -1歳までのワクチン接種
1歳までにワクチン接種が勧められているVPD
B型肝炎
接種の目安/1歳までに3回・定期接種(任意接種も可能)
傷から血液や体液などを介して感染することがあり、5歳未満の乳幼児期に感染するとキャリアになる率が高くなります。
ロタウイルス感染症
接種の目安/1価…6歳までに2回、5価…8か月までに3回・任意接種
ロタウイルス胃腸炎は感染性胃腸炎のひとつです。主に生後3か月〜24か月の乳幼児に多くおこります。重症化すると脱水、腎不全、脳炎・脳症などを合併します。
ヒブ(インフルエンザ菌B型)感染症
接種の目安/5歳までに4回・定期接種
感染すると中耳炎や肺炎、まれに髄膜炎をおこすことがあります。
肺炎球菌感染症
接種の目安/子ども:13価…5歳までに4回・定期接種、23価…リスクが高い2歳以上の子ども・任意接種
細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎などの全身性の感染症、中耳炎、副鼻腔炎などの気道感染症をおこすことがあります。細菌性髄膜炎にかかる子どもの半分以上は0歳児、生後6か月〜5歳頃までリスクが高くなります。
ジフテリア
呼吸困難をおこし、死亡することもあります。心臓麻痺、神経麻痺をおこすこともあります。
百日咳
風邪のような症状で始まり、咳き込みによって乳幼児は呼吸ができず、けいれんがおこることがあります。肺炎、脳症などの合併症をおこすこともあります。
破傷風
傷口から破傷風菌が入っておこります。神経麻痺、筋肉の激しいけいれん、呼吸困難をひきおこし、発症すると死亡率が高まります。
ポリオ
四肢に麻痺をおこし、かつては「小児麻痺」と呼ばれていました。一部の国では流行することもあるため、その予防としてワクチン接種が勧められています。
結核
接種の目安/1歳までに1回・定期接種
乳幼児が感染すると結核性髄膜炎、粟粒結核がおこりやすくなります。BCGワクチンの接種が勧められています。
麻しん(はしか)
高熱と発疹がみられ、肺炎、中耳炎、気管支炎、脳炎などを合併することもあります。予防接種がない発展途上国を中心に世界では毎年数万人の患者が死亡しています。
風しん
発疹、発熱、耳や首の後ろのリンパ節の腫れる症状があります。関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などを合併することもあります。免疫のない妊婦が妊娠初期にかかると、白内障、心疾患、難聴等の症状をもつ乳児を出生することがあります。
水ぼうそう
接種の目安/1歳以上で2回・定期接種
発熱、水ぶくれを伴う発疹が主な症状で、中には重症化することもあります。白血病児やステロイド剤などを服用しているネフローゼ患児など、免疫状態がよくない小児がかかると重篤になり、死亡することがあります。妊婦が妊娠初期にかかると胎児に障がいがきたしたり、分娩直前にかかると新生児が早期に水痘を発症して重症化したりすることがあります。
おたふくかぜ
接種の目安/1歳以上で2回・任意接種
ムンプスウイルスに感染して、発熱と耳下腺がはれます。ウイルスが全身に感染すると無菌性髄膜炎、脳炎、難聴、思春期以降の成人では精巣炎、卵巣炎等の合併症をおこすことがあります。
日本脳炎
接種の目安/13歳までに4回・定期接種
蚊が媒介するウイルスによっておこる病気。高熱、頭痛、嘔吐、意識障がい、けいれんなどの症状が出ます。知覚障がいや運動障がいの後遺症を残すこと、死亡することもあります。2005年5月30日に接種推奨が控えられましたが、2010年から推奨を再開しています。
VPD をワクチンで防ごう -10代以降の予防接種
10代以降の予防接種で防げるVPD
10代~20代前半
- 子宮頸がん、HPV感染症
- 髄膜炎菌感染症
10代~40代
- 麻しん(はしか)
- 風しん
- 水痘(みずぼうそう)
- おたふくかぜ
10代~60代
- B型肝炎
- インフルエンザ
- 百日せき
- 日本脳炎
- 破傷風
50代以上
- 帯状疱疹
60代後半
- 高齢者の肺炎球菌感染症


ロタウイルス 感染症 ロタウイルス 感染症は6ヶ月~3歳の乳幼児に多く、48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。

麻… 麻しん( はしか )は、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症で、空気、飛沫、接触を通して感染します。とにかく問題になるのがその感染力の強さ。免疫がない集団に1人の発症者がいた場合、12~14人程度に感染するとされています。治療薬はなく、ワクチンによる予防が最大にして唯一の予防法。ワクチンの普及によりここ数十年は大きな流行が少なくなった結果、罹ったことがない人や子どもの時に一回しか予防接種を受けていない人が大人になって感染する例が増えてきています。

帯状疱疹の予防 3人に1人がかかる身近な皮膚病「 帯状疱疹 」に予防効果が高い新しいワクチンが登場!免疫力が低下した時に発症しやすい帯状疱疹は、働き盛りの50歳頃から急増する病気です。高齢で発症すると帯状疱疹後神経痛になることも多いため、早めに予防しておきたいもの。
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