新型コロナウイルス 感染症 を引き続き予防しつつ、秋からのアレルギー性鼻炎にも注意しよう
新型コロナウイルス感染症の予防として手洗いやマスクの着用が徹底されていることにより、喉や鼻の感染症や花粉症のリスクが軽減されています。ここでもう一度、マスクの使用方法の再確認や気温が低下する秋からの対策で、引き続き、喉や鼻を大切に守りましょう。
監修・取材協力:久野耳鼻咽喉科クリニック
久野 裕規 院長
秋からの 感染症 ・アレルギー -基礎知識
マスク着用、手洗い、うがいが基本的な感染対策です
新型コロナ感染症による感染対策の一つとして、「マスクの着用」があります。マスクはウイルス・細菌・花粉などから防御する役割があるため、喉と鼻からの感染症や花粉症のリスクを軽減します。昨年はインフルエンザの流行がほとんどなかったことからも、マスクが感染対策に有効だということが分かります。
ただし、同じマスクを2日以上使用したり、濡れたマスクを使用すると、かえって感染症を引き起こす可能性があるため、正しく着用することが大切です。秋からの感染症を予防するためにも、マスク着用は大きなメリットがあります。合わせて、手洗いとうがいも行いましょう。
また、初秋から気温が低下し始めると昼夜の寒暖差が大きくなります。寒暖差に対して自律神経の乱れを生じると免疫力の低下などを招きやすくなり、風邪、インフルエンザ、RSウイルス感染症にかかる可能性が高くなります。特に夜は体が冷えないよう、服装や寝具などを工夫しましょう。
秋から冬にかけて増えるアレルギー疾患として、ダニやハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎と、イネ科(カモガヤなど)やキク科(ブタクサ・ヨモギなど)による花粉症があります。風邪のような症状が2週間以上続く方、今までアレルギーの診断を受けた事がない方は、受診をお勧めします。
マスク生活で感染対策気をつけることもあります
マスクを正しく着用しないと、予防ができないことがあります。
- 鼻と口の両方をマスクで確実に覆いましょう。
- 同じマスクを2日以上使用したり、濡れたマスクを使用しない。
- かえってマスクにウイルス・細菌が繁殖し、感染症を引き起こす可能性があります。人によっては肌荒れの原因になるので、毎日、取り替えましょう。
- マスクをしていても、咳エチケットとして、咳やくしゃみをする時は袖で口と鼻を覆いましょう。
- マスクだけでなく、手洗いとうがいも忘れずに!
秋から増えやすい 感染症 ・アレルギー −考えられる主な種類と特徴
インフルエンザ
38度以上の発熱と風邪の症状に加えて、関節痛や筋肉痛、倦怠感などの症状があります。基本的な感染対策で予防ができます。流行前のワクチン接種で発病の低減とインフルエンザにかかった場合の重症化予防に有効です。
RSウイルス感染症
0歳〜1歳児に発症しやすく、生後2歳までにほぼ100%の子どもが一度は感染するとされています。軽症の場合は発熱と鼻みずがみられ、重症になると咳、喘鳴(呼吸がゼーゼー、ヒューヒュー鳴る)、呼吸困難などがみられます。冬から春にかけて患者数が増える傾向ですが、2020年〜2021年シーズンは流行がみられず、2021年は例年より早い時期から患者数が報告されています。
通年性アレルギー性鼻炎
季節に関係なく、鼻みず、鼻づまり、鼻や喉のかゆみを発症します。気温が低下するとダニやハウスダストによるアレルギー症状が出やすくなります。鼻粘膜をレーザー照射することによって、アレルギー反応を鈍くするレーザー治療が可能です。炭酸ガスレーザーは出血や痛みが少なく治療ができます。症状が出る前の治療がおすすめです。
秋からの 感染症 ・アレルギー -今すぐはじめる予防と対策
秋からの 感染症 ・アレルギー -自己チェック
アレルギーセルフチェック
□ 鼻みずの色が比較的透明
□ 透明な鼻みず、痰、咳(特に夜間)などのかぜ症状が2週間以上続く
□ 喉のかゆみがある
□ 目のかゆみや充血がある
□ 涙が出やすい
□ 体温は平熱、または微熱
マダニ からの感染症に注意 高熱、発疹、倦怠感などがみられる場合、SFTSや日本紅斑熱にかかっているかも。これらを総称して「ダニ媒介感染症」と言います。 暑さがゆるみ、野外活動が増える季節になってきました。まだまだ熱中症に気をつけると同時に草むらでの マダニ の吸血に気をつけましょう。
アレルギー の病気 花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギーの病気に悩んでいる日本人は多く、今や日本人の2人に1人がアレルギー疾患を発症しているというデータもあります。 アレルギーが起こるメカニズムや、どんな症状が出るのかなど、アレルギーの病気について詳しく知っておきましょう。