秋冬にかけて感染者が急増中!今年は例年よりも感染者増
飛沫感染や接触感染で流行し、集団生活をする上で正しい予防を行うことが大切!
監修・取材協力:岐阜北ファミリークリニック
佐合 健院長
マイコプラズマ肺炎 -基礎知識
約80%は14歳以下の子どもが感染している傾向がある
最近よくニュースなどで「マイコプラズマ肺炎」という感染症を耳にする機会が多いのではないでしょうか。マイコプラズマ肺炎とは、肺炎マイコプラズマという小さな微生物(細菌)が肺に感染して起こる肺炎のことをいいます。マイコプラズマ肺炎自体は1年を通してみられますが、今年は特に感染者が多いといわれています。
マイコプラズマ肺炎 -症状
マイコプラズマ肺炎に感染すると、発熱や全身の倦怠感、頭痛、痰が伴わない乾いた咳が症状として現れます。マイコプラズマ肺炎の潜伏期間はとても長く、2~3週間といわれています。また、熱が下がってからも乾いた咳が止まらないなどの症状が長期にわたり続くので、辛い思いをする方もいるようです。
マイコプラズマ肺炎 -原因
マイコプラズマ肺炎の原因は、「肺炎マイコプラズマ」というウイルスと細菌の中間のような特徴を持つ微生物(細菌)です。これは、自己増殖可能な最小の微生物(細菌)といわれています。また、細胞壁を持たず細胞膜のみで囲われているのも特徴です。集団生活において飛沫感染や接触感染で流行しやすいため注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎 -傾向・合併症
マイコプラズマ肺炎に感染した人の中でも、症状が軽い人もいます。その場合、自分がマイコプラズマ肺炎に感染していることに気が付かず、知らないうちに感染を広げてしまうケースも少なくないことから「歩く肺炎」と呼ばれることもあります。一部肺炎が重篤化して入院治療を要するケースがあり、皮疹や中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などが合併症として挙げられます。
マイコプラズマ肺炎 -検査方法
マイコプラズマ肺炎の検査は、咽頭ぬぐい液を用いた迅速抗原検査もしくはLAMP法にて行い、胸部画像にて肺炎の有無を評価します。マイコプラズマ肺炎には細胞壁がなく、細胞膜のみで囲われているため、他の細菌とは効果のある抗生物質も異なってきます。マイコプラズマ肺炎には、細菌のタンパク質合成を阻害して、細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす「マクロライド系抗菌薬」が第1選択薬であり、無効例にはテトラサイクリン系、キノロン系抗菌薬が選択されます。
特マイコプラズマ肺炎 -予防方法
マイコプラズマ肺炎の予防方法は、インフルエンザや風邪などと同様、日常生活で簡単にできる方法で予防をすることができます。手洗いうがいをこまめに行い、感染者との接触や人混みをなるべく避けましょう。家族間でタオルや食器の共有はしないことも大切です。