冬場はインフルエンザやノロウイルスなど色々な 感染症 が流行りやすく、高齢者の方は肺炎などにも気をつけなければならない季節です。
昔から言われていることですが、手洗いうがいは感染症の予防になりますので、特に冬場は徹底しましょう。
また、体調がおかしいなと感じたら早めに医療機関を受診することも大切です。
冬に気をつけたい 感染症 -基礎知識
気温が低下し、空気が乾燥する冬は、感染症が流行する季節。冬の感染症には大きく分けて2種類あります。かぜ症候群やインフルエンザなどの「呼吸器感染症」とノロウイルスやロタウイルスなどの「感染性胃腸炎」です。健康な人でもウイルスに感染する可能性はありますが、とくに免疫が低い人ほど感染しやすいと言えます。小さいお子さんや、高齢の方、ほかの病気を患っている方、施設で寝たきり状態の方などは特に注意が必要です。
なかでも冬に猛威を振るうのがインフルエンザで、例年、1月~2月頃にかけて流行のピークを迎えます。最近では気候の関係から、3月、4月まで流行が長引くケースもあります。
今年2019年は、8月に沖縄で爆発的にインフルエンザが流行しました。そして10月現在、すでに九州や北陸地方にはインフルエンザ注意報が発表されている状況。例年の注意報発令より半月~1ヶ月ほど早い印象です。予防接種は11月中には済ませておくことをおすすめします。
感染症の予防対策としては、まず第一に手洗い・うがいを徹底すること。そしてインフルエンザやロタウイルスなど、ワクチンがあるものは早めに予防接種を受けましょう。ノロウイルスの場合は、保菌者の手や食品を介して感染することも多いです。家庭で調理をする場合は手洗い・うがいはもちろん、まな板や包丁などを熱湯消毒することで多くの菌を死滅することができます。
体調がおかしいなと思ったら早めに医療機関を受診し、症状の重篤化を防ぐとともに、周囲への感染を防ぎましょう。
冬に気をつけたい 感染症 -近年の動向
ノロウイルスは世界中で広く分布しています。日本では一年を通して発生はみられますが、11月頃から発生件数は増加し始め、12月~翌年1月が発生のピークになる傾向があります。
冬に気をつけたい 感染症 -注意した方がよい人
乳幼児や高齢の人、ほかの病気を患っている人や寝たきりの人などは、感染しやすく重症化にもつながりやすいので注意が必要です。
冬に気をつけたい 感染症 -出やすい症状
呼吸器感染症の場合は、発熱やのどの痛み、咳や鼻水といったかぜによく似た症状が出ます。かぜよりも症状が重いことが多いです。
感染性胃腸炎の場合は、吐き気や嘔吐、下痢や腹痛などの症状があらわれます。
冬に気をつけたい 感染症 −病名と症状
流行前のワクチン接種で発病の可能性を低減
インフルエンザ
平均3日(1~5日)の潜伏期間についで、突然の発熱や筋肉痛、関節痛などの全身症状とともにのどの痛みや咳、鼻水などの気道症状があらわれます。とくに流行的な広がりを見せるのがA型、B型。流行前にインフルエンザワクチンを接種することにより、発病や重症化のリスクを軽減できることが分かっています。
乳幼児の感染に注意。重症化すると呼吸困難になることも
RSウイルス感染症
200種類以上あると言われるかぜ症候群のウイルスの一つ。感染力が強いウイルスですが、ワクチンはありません。乳幼児の感染が多く、2歳までの間にほとんどの乳幼児が発症すると言われています。重症化すると気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、最重症の場合は呼吸器管理をしなければいけない場合もあります。大人が感染した場合は、軽い鼻風邪のような症状程度でおさまることがほとんどです。
感染力が強いため感染者が出た場合は対策を入念に
ノロウイルス感染症
手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルスです。24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。感染力が非常に高いため、患者の嘔吐物や排泄物を処理する際には次亜塩素酸ナトリウムを使用するなど感染を防ぐ工夫が必要です。
乳幼児に多い感染性胃腸炎。ワクチン接種で重症化を防止。
ロタウイルス感染症
手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルスです。24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。6ヶ月~3歳の乳幼児に多く感染症です。48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。感染力が非常に高く、100%予防することは難しいウイルスです。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。
冬に気をつけたい 感染症 -治療法
インフルエンザの場合、早期診断がつけば内服薬で熱が出る期間を短くすることができます。ノロウイルスの場合は特効薬がないため、点滴などの対処療法での治療となります。
いずれの場合も安静にして休養をとること。水分を十分に補給して脱水を防ぐことが大切です。
冬に気をつけたい 感染症 -今すぐはじめる予防と対策
インフルエンザ インフルエンザ の潜伏期間は平均3日(1~5日)。突然の発熱や筋肉痛、関節痛などの全身症状とともにのどの痛みや咳、鼻水などの気道症状があらわれます。流行前にインフルエンザワクチンを接種することにより、発病や重症化のリスクを軽減できることが分かっています。
RSウイルス 感染症 RSウイルス 感染症 は感染力が強いウイルスですが、ワクチンがありません。乳幼児の感染が多く、2歳までの間にほとんどの乳幼児が発症すると言われています。重症化すると気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、最重症の場合は呼吸器管理をしなければいけない場合もあります。
ノロウイルス 感染症 ノロウイルス 感染症は手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルス。24~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。感染力が非常に高いため、感染を防ぐ工夫が必要です。
ロタウイルス 感染症 ロタウイルス 感染症は6ヶ月~3歳の乳幼児に多く、48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。
●マガジンタイプで読みたい方はこちら
杉山 正洋 院長 監修記事一覧
-
冬特有の病気
冬に気をつけたい 感染症冬場はインフルエンザやノロウイルスなど色々な 感染症 が流行りやすく、高齢者の方は肺炎などにも気をつけなければならない季節です。 昔から言われていることですが、手洗いうがいは感染症の予防になりますので、特に冬場は徹底しましょう。 -
乳幼児に多い感染性胃腸炎。ワクチン接種で重症化を防止
ロタウイルス 感染症ロタウイルス 感染症は6ヶ月~3歳の乳幼児に多く、48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。 -
感染力が強いため感染者が出た場合は対策を入念に
ノロウイルス 感染症ノロウイルス 感染症は手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルス。24~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。感染力が非常に高いため、感染を防ぐ工夫が必要です。 -
乳幼児の感染に注意。重症化すると呼吸困難になることも
RSウイルス 感染症RSウイルス 感染症 は感染力が強いウイルスですが、ワクチンがありません。乳幼児の感染が多く、2歳までの間にほとんどの乳幼児が発症すると言われています。重症化すると気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、最重症の場合は呼吸器管理をしなければいけない場合もあります。 -
流行前のワクチン接種で発病の可能性を低減
インフルエンザインフルエンザ の潜伏期間は平均3日(1~5日)。突然の発熱や筋肉痛、関節痛などの全身症状とともにのどの痛みや咳、鼻水などの気道症状があらわれます。流行前にインフルエンザワクチンを接種することにより、発病や重症化のリスクを軽減できることが分かっています。