花粉のことを知って、シーズン中の対策をしよう
春の 花粉症

春の 花粉症 イメージ

花粉の飛散状況や自分に合った治療法でつらい 花粉 シーズンを乗り越えましょう
季節性アレルギー性鼻炎、いわゆる「 花粉症 」。春はスギ、ヒノキの花粉が飛びやすく、くしゃみや鼻水など、症状に悩まされる人が多くいます。感染対策でマスクを着用することが習慣になっていますが、改めて、花粉症としての対策も合わせて確認しておきましょう。

監修・取材協力:医学博士・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
楓みみはなのどクリニック 中下 陽介 院長

Contents

春の 花粉症 -基礎知識

しっかり予防をして症状を抑えよう

春の花粉症の原因になる花粉は、スギやヒノキから飛んでいます。これほど多くの人が花粉症で悩まされているのは、戦時中や戦後の過度な伐採により、スギやヒノキによる人工林づくりが進められてきたことによると考えられています。日本の国土の約7割が森林、そのうち4割が人工林、人工林の約7割がスギやヒノキを占めています。

現在、花粉が少ないスギやヒノキの品種が開発され、花粉の少ない森林づくりが始められていますが、すぐには全てのスギやヒノキが新品種には代わりません。花粉症の症状はまだ数十年、続くでしょう。

花粉症の症状はくしゃみ、鼻や目のかゆみ、鼻水、喉の違和感などがあります。耳がかゆくなる場合もあります。これらのつらい症状を抑えるためには、まずは予防が必然です。飛散しやすい日や時間帯を避け、どうしても外出しなければいけない場合は花粉を身体に入れないよう、防護することが大切です。

同時期に黄砂やPM2.5の飛散も多く、花粉と一緒に飛んでくることもあり、ぜんそくへと発展してしまう人もいます。今年は飛散が多くなると予想されています。十分な睡眠と栄養をしっかりとり、体調を整え、しっかり予防しましょう。

いつから?

毎年、2月中旬から飛散が始まり、2月下旬からさらに増え始めます。飛散は5月中旬頃まで続きます。

1日のうちで何時頃?

朝は花粉が飛び始め、お昼頃は花粉が山から街へ飛んできます。夕方、地面に落ちた花粉が対流によって舞い上がり、再び空中の飛散量が多くなります。

どんな日が多い?

気温が15度以上の日に多く飛びます。風が強い日のほか、雨が降った後の晴れた翌日は地面に落ちていた花粉が舞い上がり、飛散量が多くなります。


春の 花粉症 -治療方法

薬物療法

病状、重症度により異なりますが、主に「抗ヒスタミン剤」を使用し、症状を抑えます。くしゃみ・鼻水が強いか、または、鼻づまりが強いかのどちらかで、使用する薬が異なる場合があります。また、必要があれば鼻噴霧用ステロイド薬を使用します。眼のかゆみには点眼薬を使用します。

早めの治療がポイント!

花粉が飛び始める2週間ほど前(1月下旬)からアレルギーの薬を飲み始めるとシーズン中の症状が抑えられます。
また、鼻づまりが強い人は鼻の粘膜にレーザーを照射する「レーザー治療」を年に1~3回行うことで花粉に対するアレルギー反応が弱くなることが期待されます。

舌下免疫療法

薬を舌の下に投与するアレルゲン免疫療法は、根本的にアレルギーの治療をすることが可能です。3〜5年かけて治療することで、アレルギーの原因に体を慣らしていき、反応しないようにすることが期待されます。有効率は7〜8割とされています。治療中の副作用として、喉の違和感(イガイガする感じ)が出る場合があります。スギ花粉が原因の場合、シーズン中は初回投与ができません。そのため、初回投与は6月〜12月に行います。治療を始めたら、翌年以降はシーズン中も投与を継続します。

春の花粉症のはなし医療最前線!!

血液検査でアレルギーの原因(アレルゲン)を知ろう

アレルギー検査「ドロップスクリーン」は極少量の血液採取で、41種類のアレルゲンが分かる検査です。指先にスタンプを押すようなイメージで極細の針を刺し、血液を数滴、採取します。30分で検査結果が分かるため、1回の診察で結果が分かります。赤ちゃんから年配の方まで検査が可能です。
年齢と共に変化することがあるので、数年ごとに検査をすると良いでしょう。

「ドロップスクリーン」スギ、ヒノキなどの花粉症、卵、小麦粉など食物アレルギーや喘息の診断に役立つ。

春の 花粉症 -今すぐはじめる予防と対策

●予防しよう
外出をする時は、マスク、ゴーグル(花粉症用メガネ)、つばのある帽子、衣服はナイロン製の上着を着用し、体の中に花粉が入りにくい服装をしましょう。
●家に帰ってきたら
家の中に花粉を入れないことを目標に、玄関前で服やカバン、頭を払い、花粉を落とします。顔、目を洗うこと、鼻うがいも効果的です。

◎日本気象協会が提供する花粉飛散情報もチェック!
「花粉飛散情報2022」

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