気温の変化、気圧差、室温差に注意
寒暖差 による体の不調を知る

自律神経の乱れや血圧の変化が起きます。特に、入浴時の「ヒートショック」による事故に注意
季節の変わり目は 寒暖差 が大きく、体調を崩してしまいがち。はっきりとした原因がないのに体調がすぐれない場合は 寒暖差 が影響しているのかも。寒い季節は入浴時の 寒暖差 も体に負担がかかりやすくなります。

参考資料:「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」(政府広報オンライン)、「自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています」(消費者庁)

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寒暖差 -基礎知識

体や環境を整えて気温や気圧の変化に対応しよう

今年は夏の気温が高く、暑さでだるさを感じた人も多かったのではないでしょうか。ところが、10月に入ると急に寒さを感じる日があり、秋を通り越してしまったような感覚があります。
熱中症の原因の一つに「暑さに体が慣れていない」ことが挙げられますが、急激な寒さに対しても、体は周囲の気候に適応しようとしてエネルギーを使います。不安定な気温と気圧で自律神経の働きも乱れるため、だるさや疲れを感じたり、体調が崩れやすくなるようです。
自律神経を整えるためには、規則正しい生活習慣や栄養バランスの良い食生活、適度な運動などで、環境ストレスに対応できるようにしたいものです。節約も大切ですが、無理をしない程度にエアコンを活用することも必要です。
また、これからさらに気温が低くなると、家の中の寒暖差にも注意が必要になります。

特に、入浴時は寒い脱衣所で服を脱いだり、熱いお湯に入ったり、急な温度差によって血圧が急激に変化し、意識障害を起こすことがあります。浴室内で溺れて死亡する事故の原因にもなります。血圧の急激な変化によって心筋梗塞や脳卒中、失神など健康被害を引き起こすことを「ヒートショック」と呼び、注意喚起がされています。
血圧が不安定な方、めまいや立ちくらみを起こしたことがある方、高齢者は注意が必要です。事故を防止するために、脱衣所や浴室を暖めるなど、対策をしてから入浴をしましょう。

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寒暖差 -今すぐはじめる予防と対策

●入浴前はあらかじめ、脱衣所や浴室を暖めておく
できるだけ寒暖差を小さくするため、脱衣所や浴室の室温を上げておきましょう。暖房設備がない場合は、シャワーのお湯を使ったり、浴槽の蓋を外したりして、お湯の蒸気で少しでも浴室を暖めておきましょう。
●湯温は41度以下、お湯に浸かる時間は10分までを目安にしましょう
お湯に浸かるときは掛け湯をしてお湯の温度に体を慣らしてから入りましょう。
また、例えば42度のお湯で10分入浴すると、高体温などによる意識障害を起こすことがあります。長時間の入浴は避けましょう。
●浴槽から急に立ち上がらない
お湯の中で体に水圧がかかった状態から急に立ち上がると、圧迫されていた血管が一気に拡張して、脳への血液が減ります。脳が貧血状態になり、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。
手すりや浴槽のへりを使ってゆっくりと立ち上がりましょう。
●食後すぐ、飲酒後などの入浴は避けましょう
特に、高齢者は食後に血圧が下がりすぎて失神することがあります。飲酒後も一時的に血圧が下がります。体調が悪い時、睡眠薬服用後も入浴は避けましょう。
●家族や同居人がいれば、入浴前に一言声をかけましょう
お風呂に入ることを宣言してから入浴しましょう。家族や同居人は、入浴時間が長くないか、物音が聞こえているか、突然大きな音がしたなど、入浴している人を気にかけましょう。

寒暖差 -いざという時

もし、お風呂場で倒れている人を発見したら、
・浴槽の栓を抜きましょう。
・入浴者を浴槽から出せたら出す。出せなければ蓋に上半身を乗せるなどして、沈まないようにします。
・救急車を呼びます。
・呼吸を確認して、呼吸がない場合は胸骨圧迫を始めて、救急車が来るまで続けましょう。

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