ノロウイルス 感染症は手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルスです。24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。感染力が非常に高いため、患者の嘔吐物や排泄物を処理する際には次亜塩素酸ナトリウムを使用するなど感染を防ぐ工夫が必要です。
この記事をまとめると
- 手指や食品を介して経口で感染します
- 24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気や下痢、嘔吐などの症状があらわれます
- 感染力が非常に強いウイルスです
- 患者の嘔吐物や排泄物を処理する際には、次亜塩素酸ナトリウムを使用しましょう
ノロウイルス 感染症 −基礎知識
手指や食品などを介して経口で感染し、人の腸管で増殖するウイルスです。24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ワクチン、特効薬がなく、感染した場合は点滴などでの対症療法となります。感染力が非常に高いため、患者の嘔吐物や排泄物を処理する際には次亜塩素酸ナトリウムを使用するなど感染を防ぐ工夫が必要です。
最近の動向
ノロウイルスは世界中で広く分布しています。日本では、1年を通して発生はみられますが、11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12月~翌年1月が発生のピークになる傾向があります。
症状
潜伏期間は24時間~48時間。主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。通常はこれらの症状が1日~2日ほど続いたのち、治癒することがほとんどです。また、感染しても発症しないこともあり、風邪のような症状で済む場合もあります。
原因
主な感染経路は経口感染ですが、以下のような感染様式が考えられます。
・患者のノロウイルスが大量に含まれる排泄物や嘔吐物から人の手を介して二次感染した場合
・家庭や共同生活施設など人同士が接触する機会の多い場所で、人から人へ飛沫感染など直接感染した場合
・食品取扱者が感染しており、その者の手指を介して汚染した食品を食べた場合
・汚染された二枚貝を生、あるいは不十分な加熱調理で食べた場合
・汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
とくに近年、食品取扱者からの感染が食中毒事例として増えてきています。
検査方法
臨床症状や周囲の感染状況などから、総合的に判断され診療されることが多いですが、専用の検査キットもあります。ノロウイルス抗原検査は、ふん便中のノロウイルスを検出できるキットです。3歳未満、65歳以上の方を対象に健康保険が適用されています。しかしながら、この検査では、ノロウイルスに感染していても陽性とならない場合があります。
より確実な検査方法は、ウイルス学的な診断です。患者のふん便や吐ぶつをもちいて、電子顕微鏡法、RT-PCR法、リアルタイムPCR法などの遺伝子を検出する方法でウイルスの検出を行い、診断します。こうした方法による検査は、通常、医療機関で行うことはできず、食中毒や集団感染の原因究明などの目的で、行政機関や研究機関などで行われています。
ノロウイルス 感染症 −治療方法
現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス剤はありません。対症療法での治療になります。とくに、体の弱い乳幼児、高齢者は脱水症状を起こさないよう、水分と栄養の補給を十分に行いましょう。脱水症状がひどい場合は、病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
下痢止め薬は病気の回復を遅らせることがあるので、使用しない方が望ましいでしょう。
自宅療法(療養方法、再発防止など)
水分をしっかりと補給しながら、安静に休養しましょう。
ノロウイルス 感染症 −合併症
ノロウイルスによる急性胃腸炎では、けいれんや腸重積、脳症などの合併症を引き起こす場合があります。
ノロウイルス 感染症 −今すぐはじめる予防と対策
睡眠時間を十分にとり、安静にして休養をとりましょう。
お茶やスープでもよいので、水分をしっかり補給します。
ノロウイルス 感染症 -自己チェック
ノロウイルス感染症のリスク度チェック
□ 乳幼児
□ 高齢である
□ 食品取扱者である
□ 集団生活をしている
□ 免疫機能が低下している
ノロウイルス感染症のセルフチェック
□ 吐き気や嘔吐がある
□ 下痢や腹痛がある
□ 周囲でノロウイルスに感染した人がいる
□ 数日前に二枚貝を食べた
冬に気をつけたい 感染症 冬場はインフルエンザやノロウイルスなど色々な 感染症 が流行りやすく、高齢者の方は肺炎などにも気をつけなければならない季節です。 昔から言われていることですが、手洗いうがいは感染症の予防になりますので、特に冬場は徹底しましょう。
インフルエンザ インフルエンザ の潜伏期間は平均3日(1~5日)。突然の発熱や筋肉痛、関節痛などの全身症状とともにのどの痛みや咳、鼻水などの気道症状があらわれます。流行前にインフルエンザワクチンを接種することにより、発病や重症化のリスクを軽減できることが分かっています。
RSウイルス 感染症 RSウイルス 感染症 は感染力が強いウイルスですが、ワクチンがありません。乳幼児の感染が多く、2歳までの間にほとんどの乳幼児が発症すると言われています。重症化すると気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、最重症の場合は呼吸器管理をしなければいけない場合もあります。
ロタウイルス 感染症 ロタウイルス 感染症は6ヶ月~3歳の乳幼児に多く、48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。