
まずは、自分の身体の状態が”正常であることを確認すること”が最も大切
検査を行わず投薬することも多いですが、正常である事を確認することが大事。万が一その便秘が、大腸癌が原因であったら?万が一その下痢が、潰瘍性大腸炎だったら?いずれにしても早期発見が重要です。
監修・取材協力:けやきクリニック
伊藤 隼 院長

便秘・下痢 - 消化管の役割について
消化管は口から肛門まで続く約9mの管(食道、胃、小腸、大腸)で、主な役割は食物の消化・栄養吸収・運搬、そして残りカスを排泄することです。消化酵素で栄養を分解し、小腸で吸収して血液に取り込み、有害な異物から体を守る防御機能も備えています。この管のどこかに異常があると便秘や下痢、吸収不良などを起こします。まずは、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)や便検査(培養検査・潜血検査)、血液検査、CT検査、ピロリ菌検査のなどの各種検査で、異常がないことを確認しましょう。

便秘・下痢 -便秘について
便秘は、運動不足や水分不足、睡眠不足、生活リズムの乱れなどに加え、甲状腺機能低下症(橋本病)などの病気が関係している場合もあります。そのため、日常に適度な運動を取り入れ、こまめな水分摂取や十分な睡眠、規則正しい生活を意識することが大切です。症状に応じて、刺激性の少ない内服薬を使用する方法もあり、最近では腸管に優しい薬や漢方薬など、さまざまな選択肢があります。また、女性特有の便秘症に対しては、月経周期に合わせて内服薬を調整することもあります。さらに、善玉菌のバランスを整え、腸内環境を良好に保つことも大切です。
便秘・下痢 -下痢について
下痢や過敏性腸症候群は、ストレスや緊張、生活リズムの乱れなどに加え、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの病気が関係している場合もあります。そのため、原因に合わせてストレス要因をできるだけ減らし、十分な睡眠と規則正しい生活リズムを意識することが大切です。治療では、整腸剤を中心に、症状に応じて止痢薬を使用するほか、必要に応じてメンタル面に配慮した薬を検討する場合もあります。便秘同様、善玉菌のバランスを整え、腸内環境を良好に保つことも重要です。
便秘・下痢 -大腸メラノーシスについて
刺激性下剤が原因で大腸が真っ黒に!?


便秘の症状があると、市販の下剤を使用する人も多いでしょう。大切なのは、「刺激性の弱い下剤」を選ぶことです。ビサコジルやセンノシドなどを含む刺激性下剤を長期間服用したり、慢性的な便秘で下剤を続けている人は、大腸の粘膜が黒っぽく色素沈着する「大腸メラノーシス」と呼ばれる状態になることがあります。これはメラニン色素ではなく、腸の細胞が壊れた際にできる色素がたまって起こるものです。市販薬を購入する際は、成分表示を確認し、使用方法を守ることが大切です。
便秘・下痢 - 今日から始める「腸活」のポイント
腸内環境を整えるためには、“善玉菌を増やすこと”と、“善玉菌が働きやすい環境を作ること”が大切です。最近注目されているのが、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を組み合わせる“シンバイオティクス”という考え方。毎日の食事に取り入れることで、腸内環境をサポートするとされています。
善玉菌を直接摂る「プロバイオティクス」
ヨーグルトや納豆などの発酵食品には、善玉菌が含まれています。摂取した菌は腸内に定着しにくいため、“毎日継続して摂ること”が大切です。
【主な食品】
・納豆・ヨーグルト・キムチ・味噌・ぬか漬け・チーズ
善玉菌のエサを摂る「プレバイオティクス」
善玉菌を増やすためには、エサとなる成分を一緒に摂ることも重要です。
【食物繊維を含む食品】
・海藻・ごぼう・ほうれん草・大豆・アボカド
【オリゴ糖を含む食品】
・玉ねぎ・長ねぎ・バナナ・大豆食品
善玉菌を含む食品と、そのエサになる食品を組み合わせて摂ることで、より良い腸内環境づくりにつながります。腸内環境が変わり始めるのに約2週間程度かかるといわれており、良い状態が定着するには3ヶ月程度継続する必要があります。
便秘・下痢 -子どもの便秘について
子どもの便秘は“よくある症状”だからこそ注意を
子どもの便秘は珍しいものではなく、腹痛の原因として最も多い症状のひとつです。特に、離乳食へ移行する時期やトイレトレーニング期、学校生活が始まる頃に起こりやすいとされています。学校期の子どもは、「学校のトイレが恥ずかしい」「授業中に行きづらい」と感じ、便意を我慢してしまうことも少なくありません。我慢が続くと便が硬くなり、排便時の痛みからさらに我慢してしまう悪循環につながります。
【有効的な対策】
・毎日の生活リズムを整える(早寝・早起き)
早起きをして、朝食後にゆっくり過ごす時間を作るのがおすすめ。朝の忙しい時間帯は排便のタイミングを逃しやすいため、余裕を持った生活習慣が大切。そのためにも、早寝を意識しましょう。
・食物繊維(野菜・果物・きのこ・海藻類)を摂る
・こまめな水分補給と適度な運動
・おへその周りを「の」の字を書くようにやさしくマッサージをする(特に赤ちゃん)
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