お腹の痛み、便の不調、続いていませんか?
ストレス と胃腸

悪循環を改善し、不安のない胃腸で快適な生活を
お腹の調子が悪い状態が数週間、何ヶ月も続いている場合、胃腸にストレスからのトラブルが起きているかもしれません。そのまま放置していると、QOLが低下してしまうこともあります。まずは、胃腸がどのような状態になっているのか専門医に診てもらうとよいでしょう。

監修・取材協力:安藤内科おなかクリニック
安藤 暢洋 院長

安藤内科おなかクリニック安藤暢洋院長
Contents

ストレス と胃腸 -出やすい症状

胃腸の働きがおちて腹痛や下痢などの症状が出ます

昨年から続く生活スタイルの変化から、また、春や秋といった気温の温度差が大きくなる季節の変わり目、職場が変わった、新学期が始まったなど、生活環境に変化があった時に体調を崩しやすくなる方はいませんか。ストレスを受けると、胃や腸が正常に動かなくなり、胃腸に関わる病気を引き起こすことがあります。
胃粘膜の抵抗力が弱まり、胃酸の分泌が活発になることで粘膜が深く傷つけられると、「胃潰瘍」を引き起こします。また、ストレスを受けることで自律神経のバランスが崩れてしまい、胃腸の働きに乱れが生じると、「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」を引き起こします。

症状を改善するために、ストレスをなくすことが大切ですが、生活習慣の見直しと胃腸の運動機能を改善する薬を服用することがあります。胃潰瘍、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群で手術することはありません。
胃潰瘍の場合は胃酸を抑える薬を、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群の場合はストレスを軽減するために、抗不安薬や抗うつ薬を処方をすることがあります。女性で授乳中の方や妊娠の予定がある方で、薬の処方が心配な方は漢方薬を使用することもあります。

胃痛、腹痛を訴える女性のイラスト

ストレス と胃腸 -注意した方がよい人

幅広い年齢層に症状がみられます

背景にストレスが深く関わっているため、10代の学生から60代の労働世代まで幅広い年齢層にみられます。

中学生・高校生の胃腸トラブルも

胃腸のトラブルは大人だけでなく、10代の子どもたちにも起こります。学校へ行かなければいけないという義務があるためか、「腹痛がある」「下痢をしている」と訴えても甘えに見られることがあり、不調を放置してしまうことがあります。まずは病院やクリニックを受診をして、胃腸を改善していく、また、ほかに重要な病気がないか調べましょう。

中学生・高校生の腹痛イラスト

ストレス で起こりやすい胃腸のトラブル -考えられる主な種類と特徴

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、①非アルコール性脂肪肝(NAFL)と、②非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分類されます。

胃潰瘍

みぞおちの辺りが痛くなり、胃のもたれや吐き気などの症状があります。胃の粘膜の抵抗力が低下し、胃酸が活発になり過ぎて粘膜が傷付けられ、深くえぐられたような状態になります。考えられる原因はストレスのほか、ピロリ菌の感染、痛み止めの服用、暴飲暴食などが挙げられます。放置していると、重症化して、胃がんに進行することもあります。

機能性ディスペプシア

胃の痛みやもたれ、吐き気がある症状が起こります。炎症や潰瘍といった胃の粘膜の異常は見つからず、明らかな原因はありません。自律神経が乱れたことで、胃の働きが低下していると考えられています。

過敏性腸症候群

下痢、便秘、便の異常、腹痛、下腹部が張っているなど、さまざまな症状が長期間続きます。唐突にこれらの症状を発症する人、下痢と便秘を繰り返す人などもいます。このような症状がある場合、大腸の異常が考えられますが、大腸カメラで検査しても粘膜は正常な状態です。このような場合に、過敏性腸症候群と診断されます。自律神経の乱れから起こる病気だと考えられています。

ストレス と胃腸 -検査方法

胃カメラ・大腸カメラで胃腸の状態をチェック

胃潰瘍の場合、胃の粘膜が深く傷つけられています。反対に、機能性ディスペプシアや過敏性超症候群は潰瘍や炎症、がんといった目に見える粘膜の異常がないことが前提となります。
そのため、胃腸に不調を感じられる時は、粘膜に異常があるのかないのかを評価する必要があり、胃カメラや大腸カメラが必須となります。

安藤内科おなかクリニック 検査室
安藤内科おなかクリニックの検査室

ストレス と胃腸 -適度な運動で症状が軽減することも

睡眠不足や喫煙、不規則な食生活、偏った食事内容などは胃腸に大きな負担となります。例えば炭水化物あるいは、脂肪を多く含む食事やコーヒー、アルコール、香辛料などの過剰な摂取は胃もたれや胃がんを引き起こしたり、便通に変化を生じやすくなります。適度に運動することで胃腸の働きが活発になり、症状の軽減効果が期待できます。

胃腸トラブルを起こしやすい生活習慣 -自己チェック

□ ストレスを感じやすい
□ 睡眠不足
□ 食生活が変則(1日1食しか食べない、偏った食事をしている)
□ 高カロリーな食事が多い
□ コーヒーを飲み過ぎている
□ アルコールを飲み過ぎている
□ たばこを吸う
□ 運動不足

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