中性脂肪が150mg/dl以上と高く、血液中に脂肪が多い状態。中性脂肪が増えるとLDLコレステロールの増加を促進することから、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。
監修・取材協力:医療法人大河内会おおこうち内科クリニック
大河内 昌弘 院長

この記事をまとめると
- 中性脂肪(トリグリセライド)値が150mg/dl以上
- 糖質、アルコールの摂りすぎなどが主な原因
- 中性脂肪が増えるとLDLコレステロールの増加を促進させる
- まずは食事療法、運動療法で治療が進められる
高トリグリセライド血症 −基礎知識
重要なエネルギー源となる中性脂肪(トリグリセライド)は、身体になくてはならない物質。しかし、必要以上に増えすぎると悪影響を及ぼします。高トリグリセライド血症は、中性脂肪が150mg/dl以上と高く、血液中に脂肪が多い状態。中性脂肪が増えるとLDLコレステロールの増加を促進することから、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。糖尿病を患っている人も高血糖のため中性脂肪が増加しやすくなります。
症状
自覚症状がないため、健康診断で指摘されて認識する人がほとんどです。
検査方法
一般的な健康診断で行われる血液検査で調べます。総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値があり、それぞれ基準値を超えているかを確認します。中性脂肪が150mg/dl以上の場合は、高トリグリセライド血症の疑いがあります。
原因
生活習慣病の一つに挙げられるように、生活習慣が原因となる場合がほとんどです。特に食生活の影響は大きく、糖質やアルコールの摂りすぎが中性脂肪を増やす主な原因となります。
近年では痩せている人でも脂質異常症を指摘される人が増えています。その原因は多くの場合、糖質の摂りすぎによる中性脂肪。中でも果物に含まれる「フルクトース(果糖)」や、清涼飲料水・菓子類に含まれる「果糖ブドウ糖液糖」は血糖値を上昇させにくく、満腹感を得られないため、たくさん摂ってしまうことで残ったエネルギーが肝臓で中性脂肪として蓄積。脂肪肝を引き起こすだけでなく、内臓や筋肉など全身にも脂肪が溜まり始めます。血液中の中性脂肪も増加し、結果、脂質異常症を招いてしまうのです。
高トリグリセライド血症 −治療方法
コレステロールの多い食品を摂りすぎないだけでなく、中性脂肪を増やす原因となる糖質「フルクトース(果糖)」「果糖ブドウ糖液糖」の摂りすぎにも注意しましょう。アルコールも中性脂肪を増やすため、毎日飲酒する人は週2日休肝日を設けて過剰な飲酒を控えましょう。
あわせて有酸素運動を中心とする運動療法を行います。効果が見られない場合は薬物治療を取り入れ、コレステロールや中性脂肪をコントロール。薬物治療は、血液をサラサラにし、動脈硬化の改善が期待できます。
高トリグリセライド血症 −合併症
最も多く見られるのが動脈硬化です。さらに動脈硬化から、心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤、大動脈瘤破裂、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞、脳卒中、腎不全、腎硬化症などの疾患へ移行していきます。中性脂肪が多いと急性膵炎を起こす場合もあります。
高トリグリセライド血症 −今すぐはじめる予防と対策
まずは日頃の食事、運動、喫煙、飲酒など生活習慣を見直してみましょう。脂質異常症は自覚症状がなく病気の状態が分かりにくいため、定期的に血液検査を受けてコレステロールと中性脂肪の値を把握しておくことも大切です。

脂質異常症 生活習慣病の一つ「 脂質異常症 」。一番恐ろしいのは“気づきにくい”こと。自覚症状がないまま脂質異常の状態が続けば、動脈硬化を発症し、脳梗塞、心筋梗塞など致命的な疾患のリスクが高くなってしまいます。

脂質異常症『 高LDLコレステロール血症 』 高LDLコレステロール血症 とは血液中のLDLコレステロールが140mg/dl以上と過剰な状態。使われずに残ったコレステロールが動脈の壁に沈着し、プラークというコブができて血管が狭くなり、動脈硬化を進行させてしまいます。

脂質異常症『 低HDLコレステロール血症 』 低HDLコレステロール血症 とはHDL(善玉)コレステロールが少なく、LDL(悪玉)コレステロールが血液中に過剰に残ってしまう状態。HDLコレステロールが少ないと、LDLコレステロールを回収しきれないため動脈硬化を進行させてしまいます。

脂質異常症『 高non-HDLコレステロール血症 』 高non-HDLコレステロール血症 は、non-HDLコレステロール値が170mg/dl以上で、血液中に動脈硬化を促進する悪玉コレステロールが多い状態。近年は脂質異常症の基準として重要視されています。