
急に頭痛や吐き気を感じたら、すぐ専門医を受診しましょう。
言語や運動、意識、感覚など、生きていくうえで必要なあらゆることを司っている脳。脳は他の臓器と違い、部位によって、働きがそれぞれ違っています。そのため、同じ病気でも損傷する部位によって、機能障害などの後遺症もさまざま。発見が遅れることで命を落とす重大な病気もあるので、日頃からの予防が大切です。
監修・取材協力:なかしま脳神経外科クリニック
中島 利彦 院長

脳の病気 -基礎知識
脳の病気と言うと、急に頭痛が起こったり、手足の麻痺が起きたり、失神して、発病するイメージがあります。脳卒中や脳腫瘍などさまざまな病気がありますが、脳卒中は、生活習慣を改善することで予防できる病気です。
言語や運動、意識、感覚など、生きていくうえで必要なあらゆることを司っている脳は他の臓器と違い、部位により働きがそれぞれ異なります。そのため、同じ病気でも損傷する部位によって、機能障害などの後遺症もさまざま。発見が遅れることで命を落とす重大な病気もあるので、日頃からの予防が大切です。
脳卒中の予防には、日本脳卒中協会による「予防十か条」と呼ばれるものがあり、発症後の再発予防のための「脳卒中克服十か条」もあります。

脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳の神経細胞が傷ついてしまう病気の総称です。脳梗塞(脳の血管が詰まる)、脳出血(血管が破れる)、くも膜下出血(動脈瘤が破れる)と、原因によって大きく3つに分類されます。脳卒中は突然発病して、そのまま亡くなってしまったり、命が助かっても手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ったりします。脳の神経が傷つくと、治療をしてもなかなか元には戻らないので、脳卒中にならないように予防することが重要です。

脳卒中の大部分は、脳の血管が悪くなって起こり、その主な原因は高血圧です。食塩を摂りすぎないように気を付け、血圧が高いと言われたら、迷わず治療を受けてください。糖尿病やコレステロール(高脂血症)も、血管を悪くする原因です。タバコを吸う人やたくさんお酒を飲む人にも、脳卒中の危険がありますので、注意しましょう。
脳の病気 -出やすい症状
いつもと違う頭痛や吐き気がする。顔の片側が下がる、ゆがみなどの顔の麻痺。
片腕や片足に力が入らないなど、足・腕の片麻痺。言葉が出ない、ろれつが回らないなどの言語障害。

脳の病気 -注意した方がよい人
□高血圧の人
□糖尿病の人
□高脂血症の人
□愛煙家
□大量に飲酒する人
脳の病気 -考えられる主な種類と特徴
急な頭痛や吐き気は警告サイン!
くも膜下出血
くも膜下出血は、脳の血管にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)という瘤(こぶ)のように膨らんだ部分が破裂して、脳の表面に出血が広がる病気です。脳卒中の中では、最も死亡率の高い病気になります。出血が起こると、頭痛と吐き気を感じるので、感じた時は要注意です!すぐ病院を受診しましょう。出血の程度が軽ければ、治療により後遺症を残さずに治りますが、酷い場合は後遺症が残ったり、命を落とすことも。MRI検査を受ければ、脳の血管に脳動脈瘤があるかがわかります。出血する前に発見して治療すれば、くも膜下出血を未然に防ぐことができます。
高血圧が最も多い原因!
脳出血
脳梗塞は、脳の血管が詰まって血液が流れなくなるために、脳細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞には、血栓(血のかたまり)が脳の血管の中にできて血管が詰まる脳血栓症と、心臓や血管の中にできた血栓が脳の動脈に流れ込んで血管を塞ぐ脳塞栓症があります。片麻痺や言語障害などの脳梗塞のサインを見逃さず、見つけたら、すぐ119番に電話し、専門医がいる病院へ搬送してもらいましょう。
また、前触れ発作とされる一過性脳虚血発作があった場合も、速やかに病院を受診しましょう。その後の脳梗塞を予防できる可能性が高まります。
FASTが肝心!
脳梗塞 のうこうそく
中性脂肪が150mg/dl以上と高く、血液中に脂肪が多い状態。中性脂肪が増えるとLDLコレステロールの増加を促進することから、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。
脳の病気 -脳卒中の応急処置
脳卒中と思われる症状が起きた場合は、なるべく頭を動かさないように、静かな場所へ寝かせてください。
衣服をゆるめて、枕はしないか、首の下や肩に当てて楽に呼吸ができる状態にし、嘔吐がある場合は、麻痺側を上にして顔を横に向けて寝かせます。
応急処置後、すぐ119に電話してください。
『いつ、どこで、何をしている時に、どんなことが起こったのか』を手短に伝えることが大切です。
初めは軽くても、数時間のうちに悪化することがあります。早期発見、早期治療が肝心です。
脳の病気 -今すぐはじめる予防と対策
食生活をはじめとする生活習慣の改善が、一番の予防となります。ポイントを確認しながら、日頃から食事に気を付け、運動を習慣づけましょう。脂質異常症だけでなく、高血圧や糖尿病など他の生活習慣病の予防にもつながります。
予防十か条
- 手始めに 高血圧から 治しましょう
- 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
- 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
- 予防には たばこを止める 意志を持て
- アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
- 高すぎる コレステロールも 見逃すな
- お食事の 塩分・脂肪 控えめに
- 体力に 合った運動 続けよう
- 万病の 引き金になる 太りすぎ
- 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
脳卒中かも!? 早期発見FAST!
Face | 顔の麻痺(顔の片鱗が下がる、ゆがみなど) |
Arm | 腕などの片麻痺(片腕や片足に力が入らないなど) |
Speech | 言葉の障害(ろれつが回らないなど) |
Time | 発症時刻を確認して、すぐに119番に連絡を! |


くも膜下出血 くも膜下出血 は、脳の血管にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)という瘤(こぶ)のように膨らんだ部分が破裂して、脳の表面に出血が広がる病気です。脳卒中の中では、最も死亡率の高い病気になります。出血が起こると、頭痛と吐き気を感じるので、感じた時は要注意です!すぐ病院を受診しましょう。

脳出血 脳出血 は、脳内の細い動脈が血管の中の圧力に耐えられなくなり、破れることで起こります。出血は、脳を破壊しながら大きくなっていくため、後遺症が残ります。出血の場所によって、手足の麻痺、言語障害、ふらつきなど、後遺症はさまざまです。基本的に脳出血の原因は高血圧なので、血圧に注意することが大切です。

脳梗塞 -のうこうそく- 脳梗塞 は、脳の血管が詰まって血液が流れなくなるために、脳細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞には、血栓(血のかたまり)が脳の血管の中にできて血管が詰まる脳血栓症と、心臓や血管の中にできた血栓が脳の動脈に流れ込んで血管を塞ぐ脳塞栓症があります。

脳卒中 治療最前線 突然の激しい頭痛、片麻痺、言語障害はすぐ救急車を。 前兆なく突然訪れる脳梗塞、脳出血、くも膜下出血。 脳卒中 全体では70代から増え始めますが、50代、60代で発症することもあります。また、くも膜下出血は働き盛りの40代、50代にも多く発症する病気です。
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中島 利彦 院長 監修記事一覧
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日頃からの生活習慣で予防を心掛けて!
脳の病気 脳卒中脳卒中 は、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳の神経細胞が傷ついてしまう病気の総称です。脳梗塞(脳の血管が詰まる)、脳出血(血管が破れる)、くも膜下出血(動脈瘤が破れる)と、原因によって大きく3つに分類されます。 -
急な頭痛や吐き気は警告サイン!
くも膜下出血くも膜下出血 は、脳の血管にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)という瘤(こぶ)のように膨らんだ部分が破裂して、脳の表面に出血が広がる病気です。脳卒中の中では、最も死亡率の高い病気になります。出血が起こると、頭痛と吐き気を感じるので、感じた時は要注意です!すぐ病院を受診しましょう。 -
高血圧の人は要注意!
脳出血脳出血 は、脳内の細い動脈が血管の中の圧力に耐えられなくなり、破れることで起こります。出血は、脳を破壊しながら大きくなっていくため、後遺症が残ります。出血の場所によって、手足の麻痺、言語障害、ふらつきなど、後遺症はさまざまです。基本的に脳出血の原因は高血圧なので、血圧に注意することが大切です。 -
FASTが肝心!夏に多発!
脳梗塞 -のうこうそく-脳梗塞 は、脳の血管が詰まって血液が流れなくなるために、脳細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞には、血栓(血のかたまり)が脳の血管の中にできて血管が詰まる脳血栓症と、心臓や血管の中にできた血栓が脳の動脈に流れ込んで血管を塞ぐ脳塞栓症があります。