春だけじゃない!秋の花粉症やハウスダストアレルギーに注意!
秋のアレルギー

「ブタクサ」「ヨモギ」「カナムグラ」などが秋の花粉症の主な原因
日本人の約半数が花粉症であるといっても過言ではない今、年齢問わず多くの人が花粉症に悩まされています。

監修・取材協力:久野耳鼻咽喉科クリニック
久野耳鼻咽喉科クリニック 久野 院長 裕規 先生

Contents

秋のアレルギー -基礎知識・出やすい症状(花粉)

秋の花粉症の原因は何?

秋の花粉症は、空き地や河川敷、道端などに生えている雑草などの花粉が原因で起こるアレルギー反応のことを言います。主にキク科のブタクサやヨモギ、アサ科のカナムグラ、イネ科の植物などの花粉が原因です。花粉症と聞くと春のイメージが強いですが、秋の花粉は9月頃から飛散しはじめ、11月頃まで続くといわれています。秋の花粉症の症状は春と同じく、目のかゆみやくしゃみ、鼻づまりなどの症状が出ることが多いです。

ブタクサ(キク科)
花粉の飛散時期:8月~10月
道端や河川敷、荒れ地、畑地などに生えている植物。
ヨモギ(キク科)
花粉の飛散時期:8月下旬~11月
平地から高山帯まで広く分布し、繁殖力の強い植物。草もちやお灸のモグサとして使われる。
カナムグラ(アサ科)
花粉の飛散時期:8月下旬~11月
つる植物で、河原から堤防、荒れ地などに生えている植物。
ススキ(イネ科)
花粉の飛散時期:8月~10月
秋の風物詩として知られ、日当たりの良い乾燥した場所を好む植物。

秋のアレルギー -基礎知識・出やすい症状(ハウスダスト)

室内のホコリやダニなどによる「ハウスダストアレルギー」

乾燥する秋、冬の時期には「ハウスダストアレルギー」が増加する傾向があります。「ハウスダスト」とは、家の中の目に見えない1mm以下の小さなホコリのことをいいます。ハウスダウトアレルギーが秋冬に増加する理由は、高温多湿を好むダニが夏に繁殖し秋に死んでしまうから。軽くて舞い上がりやすいハウスダストは、呼吸により簡単に体内に入り込みます。カーペットや布団などに潜むダニの死骸やフン、空気中のカビによりアレルギー症状が引き起こされ、目のかゆみやくしゃみ、鼻水、咳などの症状が出ます。



秋のアレルギー -治療方法

アレルゲン免疫療法「舌下免疫療法」

アレルギーの治療には、主に内服薬と点鼻薬が用いられます。また、現在日本ではスギ花粉とダニアレルギーに対して保険適応がある「舌下免疫療法」などがあります。これは、アレルギー原因物質であるアレルゲンが含まれている錠剤を舌の上に置き、有効成分が口腔粘膜から吸収されて徐々に体に慣れさせていく治療法です。長期間飲み続けることで効果が出てくるといわれています。症状が少しでも気になる方は、無理せずかかりつけ医を受診し、適切な治療を行いましょう。

舌下免疫療法とは

治療薬(錠剤)を舌の上におき、アレルゲンを体に慣れさせていく治療法をいいます。花粉が飛んでいない時期も毎日服用することで効果が得られるとされています。根気よく数年間飲み続けることで、辛い症状を和らげることが期待できます。
※現在本邦ではスギ花粉とダニアレルギーに対して保険適応があります。

秋のアレルギー -予防方法

すぐはじめられる、秋のアレルギーの予防方法
秋の花粉症の症状を少しでも和らげたい方、今すぐ簡単にできる予防方法を試してみませんか?秋の花粉症の予防には、マスクの着用や手洗いうがいが効果的です。また、花粉が付着しにくいナイロンやポロエステルなどの素材の服を選びましょう。家に入る前に衣服をたたいて花粉を室内に持ち込まないことも大切です。ハウスダストアレルギーの予防には、こまめな掃除と室温・湿度管理がおすすめです。毛布や布団も定期的に洗濯をし、しっかりと乾燥させてから収納しましょう。

●秋の花粉症の予防
・マスクの着用 ・手洗いうがい 
・花粉症用メガネの着用 
・花粉が付着しにくい素材の服を選ぶ
・帰宅後は服に付着した花粉をはらい落す

●ハウスダストアレルギーの予防
・カーペットや畳はゆっくりと丁寧に掃除機をかける
・ホコリが舞いやすいフローリングは、拭き掃除の後に掃除機をかける
・布団や毛布を定期的に洗い、しっかり乾燥させてから収納する

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