高血圧の人は要注意!
脳出血

脳出血 は、脳内の細い動脈が血管の中の圧力に耐えられなくなり、破れることで起こります。出血は、脳を破壊しながら大きくなっていくため、後遺症が残ります。出血の場所によって、手足の麻痺、言語障害、ふらつきなど、後遺症はさまざまです。基本的に脳出血の原因は高血圧なので、血圧に注意することが大切です。

監修・取材協力:なかしま脳神経外科クリニック
中島 利彦 院長

なかしま脳神経外科クリニック 中島 利彦

この記事をまとめると

  • 脳出血は、脳の血管が破れることにより発症する
  • 前兆が無く、突然起こる
  • 脳内の出血が多いほど後遺症や命の危険性が高くなる
  • 症状として、突然の片麻痺、言語障害、頭痛や吐き気などがある
  • 初期症状は脳梗塞と似ている
  • 出血の場所により、後遺症は違ってくる
  • 高血圧にならない(高血圧の治療をする)ことが一番の予防
Contents

脳出血 −基礎知識

脳出血は、脳の中を走る細い動脈がもろくなって、血管の中の圧力に耐えられなくなって血管が破れるためにおこります。脳の表面にある血管から出血し、周囲の脳を破壊しながら大きくなっていきます。そのため、必ず何らかの脳の損傷が起こり、後遺症が残ります。後遺症は出血が起きた場所によって、手足の麻痺であったり、言葉の障害であったり、ふらつきであったりとさまざまです。
基本的に脳出血の原因は高血圧なので、血圧に注意することが大切です。

脳の病気

近年の動向

近年、高血圧症の治療がきちんと行われるようになり、脳出血になる人は減ってきました。けれども、身近な人が脳出血になることが減ってきたからか、40・50歳代で高血圧症に対して無関心な人がいて、そのような人が若くして脳出血を起こすようなことが、時々みられるようになってきました。

症状

症状として最も多いのは片麻痺です。顔の左右のどちらか半分や、片方の手や足が急に動かなくなったりし、同じ部位にしびれを生じたり、鈍さを感じたりすることもあります。
他の症状としては、言語障害です。突然、言葉が出なくなったり、ろれつが回らなくなったりします。
他には、運動失調や目に症状が見られる場合があります。運動失調は、起立・歩行時のふらつきや、手の細かな動作が障害され、普段の何気ない動作が円滑にできなくなります。目の場合は、目が見えづらかったり、視野の一部分が見えなくなったりします。また、出血の量が多いと意識障害が起こり、急速に昏睡状態になる場合もあります。

原因

脳出血の主な原因は高血圧なので、血圧に注意することが大切です。

脳出血 −治療方法

出血が起こる場所により、発症してからの治療方針がそれぞれ異なりますが、基本的には血腫を除去する手術を行います。主に顕微鏡を用いた手術で血腫を取り除きますが、最近では技術も発達し、頭蓋骨に小さな穴を開けて内視鏡を使用して血腫を吸引する方法も行います。視床出血や小脳出血では二次的に水頭症を合併することも多いため、脳室から脳脊髄液を排除する手術(脳室ドレナージ)をすることもあります。
血圧がコントロールできて、全身状態が落ち着いてきたら、なるべく早めにリハビリを開始することが重要となります。

自宅療法(療養方法、再発防止など)

血圧に気を付け、塩分控えめを心掛けましょう。
運動機能などを維持するための、リハビリを心がけましょう。

脳出血 −今すぐはじめる予防と対策

脳出血は、脳の血管がもろくなって出血が起ります。脳の血管をもろくする大きな原因は高血圧であると考えられています。高血圧はサイレントキラーと呼ばれるほど自覚症状が無いため、日頃から塩分を控えめにしたり、高血圧になったら躊躇せず血圧の治療を開始したりすることが脳出血の予防として重要です。
脳の血管がもろくなる原因には、加齢など、血圧以外の原因もあるため、脳出血を完全に予防することはできません。しかし、血圧に注意して日頃から生活することは、脳出血以外のさまざまな脳の血管の病気の予防の他に、心臓や腎臓の健康を保ことにもつながります。血圧にはくれぐれも注意しましょう。
脳出血を起こしてしまった場合の再発予防や、MRIで微小脳出血がみつかった場合にも、血圧コントロールが不可欠です。目安としては、収縮期血圧を120程度に管理することが望ましいとされています。

よかったらシェアしてね!
Contents
閉じる